【60代のスマホ術】 「指が乾燥して打てない…」を卒業! 話すだけでメールが書ける 「専属秘書」の雇い方
令和の時代に、声だけで文字が書ける魔法を手に入れましょう こんにちは、わくわく昭和セカンドライフ編集長の「グランパ」です。 ここ数日、ぐっと冷え込んできましたね。温かいお茶でも飲みながら、少しだけ私の昔話……いえ、つい先日起こった「冷や汗ものの失敗談」を聞いていただけませんか?孫に送った謎のメッセージ「ぬしょぬがは…」
実は先日、こんなことがありました。中学2年生になった孫の拓海に、「お正月は帰ってくるのかい?」とLINEを送ろうとした時のことです。 一生懸命、人差し指でフリック入力(あの、指を上下左右に滑らせる入力方法ですね)と格闘していました。老眼鏡の位置を直しながら、慎重に、慎重に。 ところがです。「お」と打ったつもりが「ぬ」になり、「か」と打ったつもりが「の」になり……。ふと送信前の画面を見て、私は絶句しました。「ぬしょぬがは ぬえってくるぬかい?」
……なんということでしょう。これではまるで、宇宙人からのメッセージか、あるいは私が急にボケてしまったかのような暗号です。
「いかん、これじゃあ拓海に心配されてしまう!」 焦って消そうとしたら、今度は乾燥した指が滑って、あろうことか「送信ボタン」に触れてしまったのです。「ピローン♪」という軽快な送信音とは裏腹に、私の顔からはサーッと血の気が引いていきました。 「あちゃー……」 天井を仰いで、深いため息が一つ。たった一行、かわいい孫にメッセージを送るだけなのに。気づけば10分以上も格闘し、挙句の果てに宇宙語を送ってしまった情けなさ。スマホをソファに放り投げたい衝動を、ぐっとこらえました。あなたも、こんな経験はありませんか?
- 老眼でキーボードの細かな文字が見えにくい。
- 指が思うように動かず、イライラしてしまう。
- 漢字変換のリストから、正しい漢字を探すのが億劫だ。
スマホに「専属秘書」がいた!音声入力との出会い
最初は私も抵抗がありました。「機械に話しかけるなんて、なんだか気恥ずかしいなあ」「独り言を言っているみたいで、変な人だと思われないかな?」 そう思って敬遠していたのですが、実際に使ってみて、私は腰を抜かしました。大袈裟ではなく、「私専用の優秀な秘書」がスマホの中に住んでいるような感覚だったのです。そもそも「音声入力」って何?怪しくないの?
「音声入力」とは、その名の通り、あなたがスマホに向かって喋るだけで、その言葉を自動的に文字にしてくれる機能のことです。 私たち昭和世代は、「機械に命令する」なんていうと、なんだか昔のSF映画や鉄腕アトムの世界の話だと思ってしまいますよね。「どうせ、私の訛った声なんて聞き取ってくれないだろう」そう疑っている方も多いかもしれません。 でも、今の技術は本当にすごいんです。私の朝起きたばかりのボソボソした声でも、少し早口で喋っても、ちゃんと聞き取ってくれます。しかも、難しい漢字も一瞬で変換してくれる賢さを持っています。【一番大事なこと】「音声入力」と「ボイスメッセージ」は別物です!
ここで、テストに出るくらい大事なことをお伝えします。多くのシニアの方が、音声入力を怖がって使わない理由がここにあります。
「喋った声が、そのまま録音されて相手に届いちゃうんじゃないの?」
これは、大きな誤解です!LINEなどの画面には、似たような「マイクのマーク」が2つあるので、非常にややこしいんですよね。ここで整理しておきましょう。
✅ 音声入力(今回の主役)
- あなたの声を「文字(テキスト)」に変換して入力します。
- 相手には、手で打ったのと同じ「文字」として届きます。
- 恥ずかしくありません!
⚠️ ボイスメッセージ(別名:ボイスメール)
- あなたの声を「録音」して、音声データのまま相手に送ります。
- 留守番電話のようなものです。
- (準備していない声がそのまま相手に届くので、これはこれで緊張しますよね)
今回私たちが覚えるのは、1番の「文字にしてくれる機能」です。あなたの声が録音されて相手に送られるわけではないので、どうか安心してくださいね。
ステップ1:あなたのスマホ、マイクは出ていますか?(準備編)
「よし、便利そうだからやってみよう!」そう思って画面を見ても、「あれ? 私のスマホ、キーボードにマイクなんてないわよ?」という方が結構いらっしゃいます。 実は、設定で隠れてしまっていることがあるんです。「壊れているのかな?」と不安にならなくて大丈夫ですよ。ただ「隠れている」だけですから。1iPhone(アイフォン)の方
キーボードを出した時、右下(スペースキーの横あたり)に小さなマイクのマークはありますか?もし見当たらない場合は、以下の手順で「マイクをオン」にします。- ホーム画面の「設定(歯車のマーク)」を押します。
- 「一般」という項目を選びます。
- 「キーボード」を選びます。
- 下の方にある「音声入力を有効にする」というスイッチを探し、緑色(オン)にしてください。
2Android(アンドロイド)の方〜ここが落とし穴!〜
Android(特に「Gboard」というキーボードを使っている方)の場合、マイクが消えてしまう原因として「予測変換バー」というものが関係していることが多いんです。ここ、私は解決するのに3日も悩みました……。あなたは悩まなくて済むように、解決策をお伝えしますね。 もしキーボードの上にマイクがない場合は、こうしてみてください。- キーボードの上部にある「歯車マーク(設定)」を押します。(歯車がない場合は、キーボードの「…」や「>」という記号を押すと出てくることがあります)
- 設定メニューの中にある「テキストの修正」という項目を探して押します。
- 「予測変換バーを表示(またはサジェストストリップを表示)」というスイッチをオンにします。
ステップ2:いざ実践!魔法の呪文「テン」「マル」「カイギョウ」
準備は整いましたか?それでは、実際にやってみましょう。LINEでも、メールでも、自分用のメモ帳アプリでも構いません。文字を入力する画面を出してください。- 文字入力カーソルを点滅させます。
- キーボードにある「マイクのマーク」をポンと、一回だけ押します。
- 「ピコン」と音がしたり、波形のマークが動いたりしたら、スマホが耳を澄ませている合図です。
✨ 3つの魔法の呪文 ✨
📍 「、」を入れたい時 → 「てん」と言います。 📍 「。」を入れたい時 → 「まる」と言います。 📍 行を変えたい時 → 「かいぎょう」と言います。 最初は「てん」と言うのが不思議な感じがするかもしれませんが、慣れるとこれが快感になってきます。【練習問題】グランパと一緒にやってみよう
例えば、「明日は晴れですね。散歩に行きましょう。」という文章を打ちたいとします。 マイクに向かって、アナウンサーになったつもりで、こう唱えてください。🎤 実際に言ってみましょう
「あしたははれですね てん さんぽにいきましょう まる」
いかがですか?画面に「明日は晴れですね、散歩に行きましょう。」と表示されましたか? 初めて成功した時、私は思わず「おおっ!」と声を上げてしまい、その「おおっ」までバッチリ入力されてしまいましたが(笑)、それもご愛嬌です。もし変な言葉が入ってしまっても、慌てないで。×ボタンで消せばいいだけですから。ステップ3:【昭和ドリル】懐かしの言葉で楽しく練習!
「何を喋って練習すればいいかわからない」というあなたへ。どうせなら、私たちが大好きな、口に馴染んだ昭和の言葉で練習してみましょう。これなら噛まずに言えるはずです! 以下の言葉を、マイクに向かってハッキリと読み上げてみてください。📝 練習レベル1:基本編
練習1: 「あたりまえだのくらっかー」
(結果:当たり前田のクラッカー) ※懐かしいですね!「てなもんや三度笠」、よく見ていました。
練習2: 「ていしゅげんきでるすがいい」
(結果:亭主元気で留守がいい) ※お母さん方の本音が、綺麗に漢字変換されるはずです(笑)。
📝 練習レベル2:数字編
音声入力は、数字の変換も賢いんです。いちいち数字キーに切り替える必要がありません。
練習1: 「いちきゅうろくよんねん じゅうがつ とおか」
(結果:1964年10月10日) ※あの東京オリンピックの開会式ですね!私の青春です。
練習2: 「さんわりびき」
(結果:3割引き) ※スーパーでの計算も、電卓代わりにGoogle検索のマイクに向かって「〇〇の3割引きは?」と聞けば、計算までしてくれますよ。
📝 練習レベル3:長文編
最後は、孫や子供たちへのLINEを想定して、少し長く話してみましょう。
練習: 「げんきにしてるかい はてな こっちは てん みんなげんきだよ まる こんどいつかえってくる はてな」
(結果:元気にしてるかい?こっちは、みんな元気だよ。今度いつ帰ってくる?) ※「はてな」と言うと「?」に変換してくれます(機種によりますが、最近のスマホはほとんど対応しています)。
いかがでしたか?指でポチポチ打つよりも、圧倒的に速くありませんか?「恥ずかしい…」を克服する、グランパ流の極意
ここまで読んで、「機能はわかったけど、やっぱりスマホに向かってブツブツ言うのは恥ずかしいよ」と思っている方。 そのお気持ち、痛いほどよくわかります。私も最初は、妻(今は天国にいますが)の仏壇の前でこっそり練習したものです。 でも、考えてみてください。最近、街中で若い人たちが、耳にうどんのようなもの(ワイヤレスイヤホンですね)を入れて、虚空に向かって喋っているのを見たことがありませんか?あれは電話をしているのですが、今の時代、「独り言」のように見える光景は、以前ほど変な目で見られなくなっているんです。 それでも抵抗がある方へ、私が実践している「恥ずかしくない対策」をお教えします。💡 対策1:マスクを活用する
コロナ禍以降、マスクをしていても不自然ではなくなりましたよね。マスクの下で、小声でボソボソ喋れば、周りには全く気づかれません。今のスマホのマイクは非常に高性能なので、ささやき声でも十分拾ってくれます。
💡 対策2:「トースト持ち」スタイル
ここがポイントです。スマホを電話のように耳に当てるのではなく、あるいは机に置くのでもなく、「トーストを食べる時」のように、口元に近づけて水平に持つんです。
これなら、マイクが口に近くなるので本当に小さな声でOKですし、画面も見やすい。端から見れば、「スマホで何かを確認している人」にしか見えません。
💡 対策3:家の中だけで「王様・女王様」になる
無理に外で使う必要はありません。「音声入力は自宅専用の秘書」と割り切るのも一つの手です。
家の中で、お気に入りのソファに座って、王様のような気分で「メールを書きなさい」とスマホに命じる。指を使わず、言葉だけで文章が出来上がっていく様子を見ていると、なんだか自分が偉くなったような気がして、これが意外と快感になってきますよ。
誤字脱字があっても、気にしない!
最後に、もう一つだけアドバイスを。音声入力は完璧ではありません。時には変な変換をすることもあります。 例えば「島根(しまね)」と言ったのに「閉めね(しめね)」になったり。でも、そんな時は「全部消してやり直す」必要はありません。間違っているところだけを指で「ポン」と押して、そこだけ直せばいいんです。
ゼロから全部フリック入力で打つ苦労に比べたら、9割を音声で入力して、残りの1割を指で直す方が、圧倒的に楽で速いです。
それに、少しくらい誤字があっても、家族や友人なら「ああ、お父さん、音声入力で頑張ってるんだな」「お母さん、新しいことに挑戦してるのね」と、笑って許してくれます。 あの謎の暗号「ぬしょぬがは ぬえってくるぬかい?」を送るよりは、よっぽど気持ちが伝わりますから(笑)。まとめ:声は、シニアに残された最強の武器
年齢を重ねて、目が見えにくくなったり、指先が乾燥して反応しづらくなったりするのは、私たちが一生懸命生きてきた証拠です。恥じることではありません。 でも、だからといって、デジタルの便利さを諦めるのはもったいない。 神様(というか開発者の方々)は、私たちに「音声入力」という素晴らしい杖(つえ)を用意してくれました。これを使えば、私たちは若者よりも速く文字が打てるかもしれません。だって、口を動かすスピードとお喋りの技術なら、私たち昭和世代はまだまだ負けませんからね! まずは今日、一番仲の良いお友達やご家族に、「これ、音声入力で書いてるの。すごいでしょ」と、声で入力して送ってみてください。 「えっ、おじいちゃん凄い!」「お母さん、ハイテク!」と驚かれること間違いなしですよ。その時のあなたの「ドヤ顔」を想像しながら、私も応援しています。 ぜひ、小さな一歩を踏み出してみてくださいね。それでは、また次回の記事でお会いしましょう。グランパでした。 🌸 わくわく昭和セカンドライフ編集部 🌸令和の時代も、私たちらしく、楽しく、わくわくと。


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